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aruku note

世界は、価値の鉱山だ。

「シェアリングエコノミーとは」の次の問い

「シェアリングエコノミー」という名前が良くないのですが、とにかく、「シェアリングエコノミー」なるものが指す経済の変化は、その言葉のイメージよりもはるかに根本的で大きなものだということを前回の記事でお伝えしました。

こういうマーケットの潮流があるとき、当然考えうるひとつの対応は、流れに乗って「シェア的なビジネス」そのものを始めることです。

ただ、これだけのビッグウェーブだと、むしろもうひとつのやり方を考えてみたくなります。いわゆる「ゴールドラッシュでツルハシを売る」というやつです。

嘘か真か、ゴールドラッシュで一番儲けたのは金の採掘者ではなくツルハシ屋(盛り上がったビジネス自体への参加者ではなく、彼らへのツール・インフラの提供者)だった、という逸話は有名です。

では、シェアリングエコノミーにおける「ツルハシ」は何でしょうか?それはもうマーケットに飽和してしまっているでしょうか、それともまだまだ参入余地があるのでしょうか?

今回はここを考えてみたいと思います。

 

基本的には経済全体の合理性を高めてくれるシェアリングエコノミーですが、一点、20世紀型の経済システムに明らかに及ばない点があります。

それは、どれだけ簡単に取引相手の信頼性・クオリティを見極められるか。「与信」と言ってしまうと少々意味が狭くなるので、あえてこの言葉は使いません。

シェアリングエコノミーにおいては、個人や有志のコミュニティといった非・企業体も立派な「売り手・作り手」として存在感を増していきます。C2Cや、何ならC2Bのようなビジネスも生まれてくるわけです。

そうなると買い手にとっては、B2BやB2Cの場合よりも、売り手の信頼性を目利きすることがはるかに難しくなります。Amazonマーケットプレイス詐欺は、まさにこの問題を浮き彫りにしたのです。

詐欺問題は「信用」という、いわば「守り」の観点に関わる話ですが、同じことは「攻め」の観点、つまり「評判」や「ブランド」についても言えます。
これまでブランドといえば企業に属するのが当然でしたが、これからは非・企業体が売り手としてバリバリ参加していくので、彼らの間にも「ブランド」が生まれてしかるべきです。

メルカリにカリスマ出品者が現れるような状況……というとまだ少々イメージしづらいですが、ニコニコ界隈の「歌い手」「踊り手」などはもう既にこれに近いと言ってよいでしょう。

 

例えばこんなのはいかがでしょうか。

eBayやメルカリでの出品履歴から、AirbnbやCouchsurfingでの部屋の提供記録、あるいはTwitter・ブログ上での言論まで、ある人(またはグループ)の「売り手・作り手」としての活動を並べたダッシュボード。デザイナーの方々がポートフォリオ(作品集)のサイトを持っているのに近いイメージですね。

そして、そのダッシュボード全体に対して周りから評価が付けられるようにしてみます。
「メルカリのカリスマ出品者・鈴木さん」ではなく、eBayAirbnbで評判のカリスマ鈴木さんが、メルカリにも出品してる!これは掘り出し物があるかもしれない」という見方を可能にするのです。

現状、売り手の評価システムはeBayならeBayAirbnbならAirbnbの中で完結しており、「高評価アカウント」を作ることがまずひと苦労なわけですが、だからこそアカウントの売買なども横行してしまいます。

評判・ブランドの帰属先を「あるサービスのアカウント」ではなく「個人・団体そのもの」に変えることができれば、アカウント売買も多少はやりづらくなるはずです。
まぁ、これはあくまで「攻め」主体のアイデアであって、「守り」についてはたぶん今後はAIにお願いするのが順当な気がしますが……

 

少し違う視点から。

SNSで「何を消費しているか」を一生懸命発信しあっていることに、「これって空虚じゃないか」と疑問が投げかけられ始めてから、もうそれなりの時間が経っています。
それでも無邪気に「消費」を発信し続ける人と、そこから距離を置いてネット限定の別人格に徹する人に二極化しつつあるのが現状です。

でも……、「何を生み出しているか」の発信なら、SNSってけっこう楽しめそうだと思いませんか?

 

話を戻すと、「守り」にせよ「攻め」にせよ、売り手・作り手の信頼性やクオリティを見極める何かしらの手助けができれば、シェアリングエコノミーはもっともっと便利で楽しいものになるわけです。

逆に言えば、現状はそこが最大のボトルネックになっている。解決策を提供できれば、ニーズは莫大です。

上に書いたダッシュボードのサービスというのはあくまで1つの頭の体操ですが、他にもアイデアはいくらでも思いつきそうです。この分野こそが、シェアリングエコノミーにおける最強の「ツルハシ」であると私は信じて疑いません。

これが今回考えたことでした。

 

※上に書いたようなサービスづくりにご興味おありの方、あるいは作れる技術をお持ちの方、ぜひ@aruku000までご連絡ください。